到達目標の設定

こんにちは、いずみです!

突然ですが、バイリンガル教育の到達目標を設定していますか?
私が到達目標を設定したのは、バイリンガル教育を始めて3年目になってからでしたが、早く設定しておいた方がよいと思います。

今回は、バイリンガル教育をする上で重要だと思う、「到達目標の設定」について書きたいと思います。

到達目標を設定する重要性

バイリンガル教育で到達目標を設定するのが大切だと思うのは、そうしないと子供に不必要な学習までさせてしまったりして、親子共に無駄に大変な思いをする可能性があるからです。

海外在住家族といっても、家族と子供の状況はいろいろ。

・滞在期間: 在住国に永住、在住国に住むのは数年でその後日本に戻る、…
・子供が通う学校: 現地校のみ、現地校+補習校、インターナショナルスクール、…
・子供の進路: 在住国で進学・就職、日本の中学(または高校)を受験する、日本の大学を受験する、…

さらに、海外在住でも、日本人家族、国際結婚で妻か夫の国に住んでいる家族、国際結婚で妻の国でも夫の国でもない第3国に住んでいる家族など。
家族の状況によって、重点を置く言語が変わってくるでしょう。

なので、バイリンガル教育をするといっても、家庭によってその目的到達目標はさまざまだと思います。

日本語学習の目的と到達目標は?

目指す日本語のレベルは、バイリンガル教育の「目的」によって違ってきます。

どういう目的で子供にバイリンガル教育が必要で、どのレベルに到達しないといけない(または、到達「したい」)のでしょうか?
たとえば、以下のような目的が考えられます。

  • 親や日本の親戚とコミュニケーションをとるため
  • 日本の中学や高校を受験するため
  • 日本の大学に進学するため

目的が「親や日本の親戚とコミュニケーションをとるため」であれば、「聞く」と「話す」技能がより重要になり、「読む」「書く」技能の優先度は低くなるでしょう。
日本の中学や高校を受験するのであれば、日本に住んでいる子供と同等の日本語を維持する必要がありますね。

わが家の場合(バイリンガル教育の目的と到達目標)

うちはというと、国際結婚で夫の国に住んでいるケースです。

・在住国(ドイツ)に永住
・息子が通う学校: 現地校。日本語補習校には通っていない
・バイリンガル教育の目的: 私(母親)や日本の親戚と日本語でコミュニケーションがとれること

今後家族で日本に引っ越す予定はなく、将来、息子が日本に住む確率はほぼゼロだと思っています。
そんなわが家の到達目標は以下の通りです:

  • 常用漢字2,136字の読み書きができるようになる
  • 日本語で読書を楽しめるようになる
  • 「聞く」「話す」「読む」で成人レベルの日本語運用能力を身につける

うちの場合、日本語を学ぶ目的が「私(母親)や日本の親戚と日本語でコミュニケーションがとれること」なので、必ずしも上記のことができる必要はありません。でも、レベルを下げるのはいつでもできるし、こちらがやめたくなくても子供の拒否によって日本語学習が中断(または終了)してしまう可能性なども考慮し、高めに設定しています。

目的と到達目標に応じた学習内容にする

「母親・親戚とコミュニケーションがとれればOK」で「将来、息子が日本に住む確率はほぼゼロ」のわが家の場合、もし息子が大学に進学するとしても、一番確率として高いのはドイツ。なので、

  • 家庭学習は国語のみでよい (それ以外の教科は現地校で習うだけでいい)
  • 日本語の教科学習言語能力(※)は必要ない

となり、たとえば「日本の大学に進学する」という人と同じ内容・量の学習は必要ありません。
なので、家庭での日本語学習もそのことを念頭に置いた内容にしています。
※教科学習言語能力=教科学習をするときに必要な読み書きを中心とした言語能力。

息子にとって一番大事なのはドイツでの生活。友達と遊ぶ時間や自由時間も大切だし、好きでやっている習い事もあります。日本語学習に多くの時間をかけるわけにはいきません。なので、必要な学習に時間を割き、息子にとって優先順位の低い学習をカットするのはやむを得ないと思っています。

日本語で読書できるようになってほしい理由

というわけで、わが家のバイリンガル教育では「聞く」「話す」が重要となるのですが、息子には億劫と思わずに読書ができるレベルの日本語力もつけることができれば、と思っています。なぜかというと、経験から

  • 苦もなく身につけた言語は、保持する努力をしないと忘れるのもあっという間
  • 「しゃべれる」だけで終わらず、読み書きに進むとその言語の定着具合が違う

と思っているからです。

さらに、思春期になれば日本語学習が大変になるとよく言われます。子供が日本語学習を拒否する可能性もあります。
理想は、もし息子が私としゃべらなくなったとしても、自分で日本語学習を続けてくれること。
そのために、(自分は)日本語がこんなにできるのに、勉強をやめて忘れてしまったらもったいない」と息子自身が思うレベルに持っていきたい。

息子が自分で日本語学習を続けるのが無理なら、本やマンガを読むだけでもいいので、細々とでも日本語とのつながりをキープしてくれればいいなと思います。でも、マンガを読むことすら「めんどくさ…」「意味わかんねー」という日本語力だと、それもかないません。

なので、息子が素直に日本語学習に取り組んでくれて自由な時間もたっぷりあるうちに、できるだけ日本語力をあげておきたいと考えています。

最後に

バイリンガル教育の目的と到達目標をはっきりさせれば、どの学習が必要でどれが必要でないかわかり、不必要な学習までなんとなくメニューに組み込んでしまう、ということを避けられます。

やらなくていいことを見極めて削ぎ落とせば、その時間をお子さんが友達と遊ぶ時間や習い事、自由時間など、やりたいことをやる時間に回すことができるし、親の方も余計な労力を使わなくて済みます。

大変なことも多いバイリンガル教育ですが、お互い頑張りましょう!


それでは、また!

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