勉強にご褒美を使うのはよくないってほんと?

ご褒美

こんにちは、いずみです!

「ご褒美を使おうか迷っているけど、賛否両論あるし、情報も多いし…。結局使っていいの、よくないの、どっち??」という方は多いのではないでしょうか?

ご褒美を使うことにはいろいろと問題がありそうな気がします。でも、子供に勉強をさせるのにご褒美を使うのは、本当によくないことなのでしょうか?

うちではご褒美を使っているのですが、ご褒美について考えるうちにいろいろ疑問が湧いてきたので、改めて調べてみました。

目次
■勉強にご褒美を使うことに賛成の意見、反対の意見
  
1.ご褒美反対派  
  
2.ご褒美容認派
■「外発的動機付け」「内発的動機付け」とは?
■「アンダーマイニング効果」とは?
■まとめ
■実際に勉強にご褒美を使ってみて
■最後に

勉強にご褒美を使うことに賛成の意見、反対の意見

子供に勉強させるためにご褒美を使う、と聞くとこんなことが思い浮かびませんか?

・ご褒美をあげると、勉強目的がご褒美をもらうことになりそう
・ご褒美がないと勉強しない子になるんじゃない?
・簡単に勉強させることができて親には都合がいいけど、長期的には子供のためにならないと思う

実際、ご褒美を使うことに関しては賛否両論あり、専門家の間でも意見が分かれています。

「反対派」と「容認派」、それぞれの意見を見てみます。

①ご褒美反対派の意見

ご褒美を使うのはよくないとする意見には、主に以下のようなものがあります。

  • ご褒美で釣って勉強をさせていると「勉強するのはお金や物をもらうため」という意識になってしまう
  • ご褒美がもらえないと勉強できない子になってしまう
  • 「〇〇したら…をあげる」というふうにご褒美を習慣化してしまうと、「ご褒美がないなら頑張らなくていい」という発想につながってしまう 
  • 効果や満足感に持続性がないので、ご褒美によってやる気がアップするのは一時だけ
  • もらうことに慣れて同じご褒美ではやる気がでなくなり、より高額なものを要求するようになる可能性がある(=要求のエスカレート)
  • 「〇〇すると親がご褒美をくれるのは、〇〇がそれほど嫌なことだから」という認識ができてしまう可能性がある

②ご褒美容認派の意見

容認派のご褒美に対する意見には、以下のようなものがあります。

  • ご褒美による影響はあげ方や子供の性格によっても変わるので、一概に良い・悪いと言えない
  • 子供へのご褒美はやり方次第で効果がある(が、逆効果なこともある)
  • ご褒美は一時的なやる気を引き出すには大きな効果を発揮することがある
  • やる気につながるし、目標を達成できればモチベーションが上がる
  • ご褒美はやる気を起こさせる目的で使うのであれば効果あり。ただし、繰り返し使うと勉強の楽しさを味わえなくなり、マイナス効果の方が大きくなる
  • ご褒美自体が悪いのではなく「間違ったご褒美のあげ方」がある

ちなみに、私が調べた限りでは「反対派」はむしろまれで、「ご褒美は使い方次第」という意見が一番多かったです。

反対派の意見は「そうなる可能性がある」というものが多く、そうならないご褒美の選び方・あげ方ができるのでは?と思いました。

「外発的動機付け」「内発的動機付け」とは?

さて、ご褒美について調べていると、「外発的動機付け」「内発的動機付け」、そして「アンダーマイニング効果」という用語をよく目にします。ご褒美について考える上で重要なので確認しておきます。

まずは、「外発的動機付け」から。

外発的動機付けとは、報酬や評価、罰則や懲罰といった、外部からの働きかけによる動機付けを意味する言葉です。
外発的動機付けのメリットとしては、実施方法が「報酬を与える」「罰を与える」といったようにシンプルで分かりやすいため、強い関心や興味がない人のモチベーション向上に有効に働く点が挙げられます。「報酬が欲しい」「罰を受けたくない」などは、ほとんどの人のモチベーションにつながるため、短期間で効果が表れます

「内発的動機付けと外発的動機付けの違いとは?高め方や関係性について」(ミツカリ)

例えば、「お小遣いをもらえるから手伝いをする」「怒られたくないからテスト勉強をする」などは外発的動機付けによる行動です。

外発的動機付けを使うことによるデメリットとして、以下のようなことが考えられます。

  • 外発的動機付けには物理的な限度があるので、効果が長続きしない。
    (例:「片付けをしたらお菓子をあげる」と約束しても、片付けをするたびにお菓子をあげることはできない)
  • 行動が外発的動機付けによる場合、行動の質がしだいに落ちていくことがある。
    (例: 早くお菓子をもらうために適当に片付けを終わらせるようになる)
  • 自主性や創造性を妨げる可能性がある 

次に、「内発的動機付け」について。

内発的動機付けとは、物事に対する強い興味や探求心など、人の内面的な要因によって生まれる動機付けを意味する言葉です。
行動をすること自体が目的になるので、高い集中力が発揮され、質の高い行動を自ら進んで長く続けられるというメリットがあります。
内発的動機付けが生まれる前提条件として「その仕事に対する強い関心・好奇心」が必要となるため、実施方法が明確でなく、短期的には効果が出にくいというデメリットがあります。

「内発的動機付けと外発的動機付けの違いとは?高め方や関係性について」(ミツカリ)

自分から「これをやりたい」と思え、行動自体に喜びや満足を感じて取り組むのが内発的動機付けによる行動になります。例えば、「楽しいからピアノを練習する」「大好きなサッカーの練習にはしぜんと長時間没頭できる」といった行動です。

「内発的動機付け」と「外発的動機付け」のうち、やる気を持続させるのに大事なのは内発的動機付けだといわれています。

「アンダーマイニング効果」とは?

「アンダーマイニング効果」とは、もともと持っていた「内発的動機づけ」に対して、「外発的動機づけ」がマイナスの影響を与え、やる気を減少させてしまうことです。

子どものやる気をグイっと引き出す、3つの「ご褒美」テクニック(こどもまなび☆ラボ)

例えば、もともと「サッカーが好き」という内発的動機付けがあって、自発的にサッカーの練習をしていた子供に、もっと上手になって試合に出てほしいからと、親が「練習を頑張ればご褒美をあげる」と約束したとします。すると、子供はご褒美をもらうことを目的にサッカーの練習をするようになってしまい、ご褒美をもらえるうちは頑張るけど、もらえなくなると頑張らなくなってしまった…これがアンダーマイニング効果です。

そして、一度このような状態になってしまった場合、「好きだから〇〇をする」という気持ちはどんどん薄れてしまい、もとに戻りにくくなってしまうそうです。

まとめ

以上、反対派と容認派の意見、「外発的動機付け」「内発的動機付け」「アンダーマイニング効果」が何であるかを踏まえて、ご褒美についての注意事項をまとめると以下のようになるかなと思います。

  • ご褒美にはよくない「あげ方」がある
  • ご褒美を使うなら、アンダーマイニング効果を起こさないことに注意!
  • ご褒美は、内発的動機付けを持たない子供が行動できるための「きっかけ」として使う
  • ご褒美を使って勉強を始めることができたら、その後は内発的動機付けにつなげる

※ご褒美の役割について詳しくはこちら。

実際に勉強にご褒美を使ってみて

私自身は「ご褒美は使い方次第」という考えで、息子の日本語学習にご褒美を使っています。

そこで、ご褒美を使うのがよくない理由としてよく言われることだけど、実際にご褒美を取り入れてみて、そうでもなかったことを書いておきたいと思います。

●ご褒美で釣って勉強をさせていると「勉強するのはお金や物をもらうため」という意識になってしまう
長期間あげ続ければそうなるかもしれません。ご褒美の内容にもよるでしょう。息子の場合は「ご褒美を楽しみにしつつ、学習自体にも意義を感じる」という状態が生まれています。ご褒美をきっかけに始めたことを続けているうちに“ご褒美以外のやる理由”が生まれる、というのは多くの人に起こりうることだと思います。

「〇〇すると親がご褒美をくれるのは、〇〇がすごく嫌なことだから」という認識ができてしまう可能性がある
これも、場合によってはそうなるかもしれません。たとえば、長期間に渡って、そこそこ魅力的な物をご褒美としてあげ続けた場合とか。うちの子はご褒美をもらい続けて1年半になりますが、

・週1でもらえるご褒美のチョコ1粒 →楽しみ
・日本語学習 →毎日やるのが当たり前(習慣)

という感じで、「チョコをもらっているのは、日本語学習がそれほど嫌なことだから」と考えているようには見受けられません。これは、日本語学習が習慣化したことで、ご褒美に頼らなくてもできるようになったからだと思います。

また、「同じご褒美ではやる気がでなくなり、より高額なものを要求するようになる可能性がある」も、息子の場合は起こっていません。

【追記】ご褒美を使い始めて3年たった今も、増量なしで日本語学習を続けています。

最後に

今回は、ご褒美反対派と容認派の意見やその理由、また実際にご褒美を使って息子の日本語学習をしてきたなかで私が感じたことについて書きました。

子供に勉強させるためにご褒美を使うことに関しては様々な考えがあります。私も以前は、ご褒美で釣って勉強させるなんてとんでもないと思っていました。

今は、ご褒美は効果やリスクをよく理解した上で、デメリットが生じないような選び方・あげ方をすれば有効だと考えていますが、ご褒美にはよくないイメージが先行し過ぎてもったいない気がします。

この記事が、ご褒美を取り入れるかどうか悩んでいる方の判断材料になれば嬉しいです。

それでは、また!

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