わが家のバイリンガル教育(失敗編)

こんにちは、いずみです!

わが家はドイツ在住、息子を日本語補習校に通わせていないので、家庭で日本語学習に取り組んでいます。

今でこそ日本語学習が習慣として定着しているうちの子ですが、習慣化するまでに1年半もかかりました。
それまでは試行錯誤の連続で、いろいろな方法を試してもいっこうに成果が出ないし、やりたがらない息子を日本語学習に取り組ませるのも大変でした。

そこで、当時はなぜ日本語学習がうまくいってなかったのか、そうなった経緯と原因、現在わが家で成果が出ている方法について書きます。

バイリンガル教育に取り組む際の一つの参考になれば幸いです。

目次
1.バイリンガル教育1~2年目の失敗
   ・スタート~1年半の日本語学習
   ・わが家の「ゆとり教育」の理由
   ・1年半たってもたいした結果が出なかった原因
2.バイリンガル教育をどうするか再考し、戦略を立てる

1.バイリンガル教育1~2年目の失敗

海外暮らしの場合、日本語保持のために子供を補習校に通わせる方は多いですよね。
補習校に通わせない場合は、親が日本語の読み書きを教えているご家庭も多いと思います。

でも、家庭での日本語学習はそう簡単ではないんですよね。

教材や学習メニューなど時間をかけて準備しても、期待通りに学習の成果が出るとは限らないし、親の言う通りに学習に取り組んでくれる子ばかりではないでしょう。
バイリンガル教育に取り組む中で、さまざまな壁にぶち当たる方は少なくないと思います。

スタート~1年半の日本語学習の内容

うちは息子が5歳半の頃にひらがなの練習を始めました。
私が試行錯誤していたこともあり、1年目はかなりのんびりペースでやっていました。

そして、カタカナをやってはせっかく覚えたひらがなを忘れ、ひらがなをやれば今度はカタカナを忘れ…の繰り返し。ふと気づくと、1年半が過ぎても、ひらがなとカタカナすらまだ完全に書けない状態(※)。

※ひらがな・カタカナの2~3割ほどが「考えないと出てこない」「考えても書けない」という状態。漢字には興味を示していたので小1用漢字ドリルを1周しており、一部の漢字の読み書きができました。

ただ、こんなにのんびりやっていたのには一応理由があります。

わが家のゆとり教育の理由

昔から自分の子供には「勉強=面倒だけどやらないといけないこと」のように、ネガティブに捉えてほしくないと思っていました。

息子は今のところ勉強を「やらないといけないこと」というふうに捉えていません。
子供らしく、純粋な好奇心からいろんなことを知りたがって吸収しているのに、日本語学習を強制すれば、遠からず「勉強は嫌なモノ」と認識してしまうのではないかという不安がありました。

そのため、日本語学習を始める際には、子供が学習を嫌いにならないように注意しつつ、「1日数分でもいいので、まずは勉強の習慣をつけること」を目標にしました。そして、

  • 毎日、保育園から帰宅して一休みしたらひらがな(カタカナ)を書く
  • やる・やらないは本人が決める
  • ひらがなの練習ができたらシールがもらえて、シールが10個たまると日本語の本が1冊もらえる

ということを決めてスタートしました。

結局、この取り組みは断続的には継続していましたが、期待していたような形では定着しませんでした。
また、「やる・やらないはあなたが決めていいよ」と言ったものの、「今日はやらない」と言われるとやはりがっかりしたし、学習がなかなか進まないことに焦ったりストレスを感じていました。
そして1年半が過ぎた頃、息子がひらがなとカタカナすらまだ完全に書けないことに気付き、愕然とすることになります。

1年半たってもたいした結果が出なかった原因

1年半たってもたいした結果が出なかったのは、以下のことが原因だと思っています。

原因① 親の私に迷いがあった
「言語ができるのはよいこと」というのは夫婦の共通認識で、夫も日本語学習にとても協力的です。それでも私にまだ迷いがありました。

「うちの子は今後ドイツで暮らしていくのに(※うちはドイツ永住)、日本語を勉強させるのは私の理想や希望を押し付けているだけなんじゃないか?」
「押し付けると、子供が日本語学習に拒否反応を示すようになるのでは?」
「日本語学習をやるかやらないかは、子供の自主性にまかせるべきでは?」

こういった不安や迷いのため、バイリンガル教育をすると決めて取り組みを始めた後も、学習を主導する私が一貫した態度を取れていませんでした。

【反省】親は一貫した態度を取る
親がブレていては子供も困るし、「ごねれば学習をやらなくて済むんだ!」と思えばごねるでしょう。逆に、親が一貫した態度を取っていれば、最初こそ嫌がっても子供も慣れてくると思います。うちの子の場合ですが、学習に限らず何か新しい約束事を導入した時など、1週目はたいてい抵抗するのですが、数日しても私の態度が変わらないと悟ると、わりとすんなり取り組んでくれると後々気付きました。

原因② 学習するかしないかを子供の意志に任せていた
子供自身はやりたいと思ってない/(現時点では)やる意義を見出せない学習を親の判断でやらせる場合、子供に任せる方針で日本語学習を進めて結果を出すのは、ほぼ不可能だと思います。

子供自身がやりたいと思ってない上、楽しさも感じることができない学習に、自発的に取り組もうと思えないのは当たり前。日本語学習を本人の自主性に任せていると、うちの子なんて1週間や10日休むということがざらにありました。

【反省】学習は親が主導する
バイリンガル教育の意義を理解するには小学生は幼すぎるので、彼らが自発的・継続的に日本語学習に取り組むことを期待するのは現実的ではありません。
学習させることにどうしても後ろめたさがあるのであれば、子供が自分で物事を判断できる年齢になったら、日本語学習を続けるかやめるかの選択を本人に任せる、ということもできます。

たとえ少しでも「毎日」続けていれば、(個人差はあるでしょうが)3歩進んで1~2歩戻る感じで進めます。
⇒忘れることによるロスが少ないので、成長を実感できる地点に早く到達できます。

忘れるにしても、「なんとなく覚えている」と「完全に忘れている」では、やり直しにかかる労力が違います。前述のとおり、うちの子は学習を1週間や10日休むことが頻繁にあったために、せっかくやったことがほぼゼロからのやり直しになることも多く、すごくもったいないことをさせてしまったと思います。

子供も、学習の成果がなかなか出ずに「ひらがなって、やってもやっても全然覚えられない!」と感じれば面白くないし、やる気にならなくても当然ですよね。

原因④ 到達目標を設定していなかった
到達目標を短期・長期ともに設定していなかったため、「日本語学習をやっていること」ですでに満足というか安心してしまい、学習の成果をあまり気にしていませんでした。
しかも、なんとなく「時間はたくさんあるさ」という気でいました(錯覚)。

【反省】到達目標(=最終的に日本語のどのスキルを、どのレベルで習得していたいのか?)は考えた方がいいと思います。到達目標を設定しない=どこを目指すのかわからないので、本当に必要な装備がどれくらいなのかわからないまま進んでしまうことになります。その結果、しなくていい学習までやらせてしまい親子共々いらない苦労をしてしまう…ということも起こりかねません。

2.バイリンガル教育をどうするか再考し、戦略を立てる

さて、1年半が過ぎ、息子がひらがな・カタカナすらマスターしていない現状を目の当たりにした私は焦りました。今のやり方でやっていたら「ひらがなをやったらカタカナを忘れ、カタカナをやればひらがなを忘れ…」のループをずーっと回っているんじゃないか、という気がしたからです。

そこで「バイリンガル教育をやる」と再度しっかり決めました。

そして、やり方について考えました。
こういう結果になったのは、学習を習慣化できなかったことが一番大きいと思いました。
そのために、1年半という長い時間を、すごく残念な使い方をしてしまいました。

子供に勉強を押し付けることはしたくない。
子供が遊ぶ時間を削るのは最小限にしたい。
でも、子供の頑張りが成果として出るようにしたい。

どうすればこれら全部が可能になるか考えた末に思いついたのが、ご褒美を導入することでした。

続きます。

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