こんにちは、いずみです!
海外暮らしでは子供さんを日本語補習校に通わせるかどうか悩むご家庭は多いと思います。
うちは一番近い補習校でもかなり遠いので、家庭で日本語学習をすることにしました。
大変な部分もありつつも、息子が5歳半の頃に始めた日本語学習はもうすぐ4年半になります。
今回は、家庭で日本語学習をしてきた(&現在もしている)経験から、補習校に行かないことのデメリット・メリットについて詳しく書いてみたいと思います。
日本語補習校に行くことのメリット・デメリット
日本語補習校に行くことのメリット・デメリットについても、簡単に書いておきたいと思います。
まずはメリットから。
・親が日本語を教えなくていい
・同年代の子供と日本語を使う機会が定期的にある
・親以外の人の日本語に触れる機会がある
・日本の行事を体験できる
家庭での日本語学習だと、学習メニューを考えることや教材選びなどをすべて親が行う必要があります。補習校に通わせていても宿題のサポートなどはあるでしょうが、学習面での親の負担は少なくて済みます。
そして、家庭以外で日本語を定期的に話したり聞いたりする場があるのは、日本語をキープする上で大きなメリット。日本語を話すのが親だけだとなかなか語彙が増えにくいですが、補習校に通えば先生や他の生徒が話す言葉にたくさん触れることができ、語彙を増やす上でもプラスになります。
さらに、補習校では季節の行事も行われるので、日本ならではのイベントも体験することができます。
次にデメリットです。
・休日がつぶれる
・宿題がある
・学習メニューが選べない
・学費がかかる
無理すれば通えなくもないけど…という距離の場合、送り迎えや待ち時間で週末の1日がつぶれるのは、子供も親も大変ですね。さらに、宿題がたくさん出るので、それをやる子供もサポートする親も大変だと聞きます。
他に、補習校の運営に親の参加が必須のところは、場合によってはストレスになりそうです。
学費は補習校によってまちまちですが、例えば、ベルリン日本語補習授業校の費用は、「入会金50ユーロ、管理諸費用(年額)90ユーロ、会費(月額)73ユーロ」となっています(2025年7月17日現在)。
日本語補習校に行かないことのメリット・デメリット
次に、補習校に行かずに家庭で日本語学習を行う場合のメリット・デメリットについて。
まずはメリットから。
・送り迎えや待ち時間がない
・学習メニューを子供に合わせて自由にカスタマイズできる
・費用が少なくて済む
●送り迎えや待ち時間がない
送り迎えや授業が終わるまでの待ち時間が発生せず、週末がつぶれなくて済みます。私もこの点は大きなメリットだと感じています。
●学習メニューを子供に合わせて自由にカスタマイズできる
息子は現在小3ですが、漢字と文章読解のドリルは小3用のもの、読みはまだ苦手なので小2用の本を使うというふうに息子のレベルに合わせて使い分けています。さらに、漢字の「書き」は息子に必要ないと思ったので、時間を有効利用するために学習メニューから外しました。
家庭学習なら、子供が苦手な部分に時間をかけたり、優先順位が低い・必須でないと思うことは最小限にしたりやらないことにしたりと、子供に合ったペースや量、必要度に応じて自由に決めたり変えることができます。
●費用が少なくて済む
うちは通信教育は使っていないので、かかるのは市販の教材費(ドリル各種)だけです。
次にデメリットです。
・親の負担が大きい
・モチベーションを保ちにくい
・親子での日本語学習は難しい
●親の負担が大きい
家庭での日本語学習だと、学習計画や具体的な学習メニューを作り、適切な教材を選び、さまざまな変化(習い事が増えた、学習内容が難しくなった、etc.)に合わせて学習メニューの見直し・調整と、すべて親がやる必要があり、時間も労力もかかります。
しかも、教材選びも学習メニューもうまくいくとは限らないのがつらいところ。いくらよく調べて買っても、届いてみると思っていたのと違って使わなかった、という教材がうちには何冊もあります(泣)。一生懸命考えた学習メニューで結果が出るとも限らないし、報酬も出ません。
そして、体調が悪くても、子供と険悪でもやらないといけないので、続けるには親側のコミットメントが重要になります。
●モチベーションを保ちにくい
海外に住み現地校に通っていると、毎日の生活に日本語は必要ない子が多いと思います(親と話す以外)。日本語を学ぶ理由がないと、日本語学習のモチベーションを保つのは大変です。
●親子での日本語学習は難しい
特に子供が思春期や反抗期に入ると、それまでうまくいっていても、親子での日本語学習は難しくなる(もしくは終了する)可能性大です。私も今年、似たような経験をしましたが、こんな雰囲気では親子で日本語学習なんかとても無理!と思いました。
※でもこれは、補習校でも「もうやめたい」と言われる可能性はありますね。
補習校に行かない理由
さて、わが家は距離的な問題から補習校に通っていませんが、もし通える距離にあったとしても通わせていなかったかもしれない、と今は思います。以下、その理由です。
- 息子にとってドイツでの生活が一番大事だと思うから
- うちのニーズと補習校のカリキュラムが合わないから
- 家庭学習は大変だけど、うちの場合はメリットも大きいから
- 日本的な教育は息子に合わなそうだから
●息子にとってドイツでの生活が一番大事だと思うから
息子は私(母親)の希望で日本語学習をしているのであって、彼本人が望んでいるわけではありません。なので、息子がやりたいことに使える時間は最大限確保したいし、日本語学習はあくまで息子の生活の負担にならない範囲で、と思っています。
●うちのニーズと補習校のカリキュラムが合わないから
日本語補習校は、海外で生活する子供達が、再び日本国内の学校に編入しても適応できる学力を養うことを目的としていますが、わが家は日本に引っ越す予定がなく、息子にとってこのレベルの日本語力は必要ありません。補習校に通わせると、息子が必要としない学習+その宿題まですることになってしまいます。
●家庭学習は大変だけど、うちの場合はメリットも大きいから
家庭学習は確かに大変な部分もあります。でも、私の場合は、学習メニュー・教材を息子に合わせて選べて自由にカスタマイズできることや、息子に身につけてほしい技能(話す・読む)にしぼって学習できること、送り迎えなどの拘束時間が発生しないことは大きなメリットだと感じています。
●日本的な教育は息子に合わなそうだから
母親が日本人で日本のことも大好きな息子ですが、ほぼ完全にドイツ人です。しかも、息子の学校はかなり自由な校風で、守るべきルールはもちろんありますが、生徒の自主性が尊重され、生徒にかなりの自由が認められています。先生の言うことでも納得できなければ生徒は「なんで?」と言うし、正当な理由があれば、生徒の考えを取り入れたり、ルールを変えてくれることもあります。そういうのに慣れている息子は、日本型の教育を受けることに息苦しさを感じそう(なんなら反発しそう)だと思います。
最後に
以前は子供を補習校に通わせようと漠然と思っていたのですが、補習校が近くにない所に住むことになりました。でも、週末のんびり過ごせることや息子に合った学習ができるなど、補習校に行かないことで得られることや、家庭学習の気に入っている点もあるので、うちの場合は家庭学習でよかったと思っています。
でも、いずれ帰国することが決まっているご家庭や今後日本に住む可能性があるご家庭なら、子供さんは学年相応の日本語力をしっかりつけていく必要があるので、全く事情が違ってきますよね。
何がよい選択なのかは家庭によるので、お子さんを補習校に通わせるかどうか迷ったら、以下のようなことを考えてみるとよいのではないでしょうか?
- うちの子が身につける必要があるのはどの程度の日本語力?
- 補習校のカリキュラムはわが家のニーズに(大体)合っている?
- 家族として大切にしたいことは?
- 補習校に通うことで得られることは?(それは必要・重要なこと?)
- 補習校に通うことでどんな負担が生じる?(そしてそれは許容範囲?)
わが家はまだバイリンガル子育ての途上ですが、4年半続けてきた中で感じている、家庭で日本語学習をすることのプラスの面もお伝えしたいと思い、この記事を書きました。
それでは、また!